Tuesday, May 12, 2020 10:16 AM

「アビガン外交」本格化 日本、中国医療支援にらみ

 政府は、新型コロナウイルス感染症に効果が期待される新型インフルエンザ薬「アビガン」の各国への無償提供を本格化させている。日本が開発した薬の供与を通じ、収束に向けた国際社会への貢献を狙う。医療資材を支援する「マスク外交」を展開する中国をにらみ、日本は「アビガン外交」で存在感を発揮したい考えだ。

 茂木敏充外相は12日の参院外交防衛委員会で「海外の多くの国から関心が寄せられ、80カ国程度の国から依頼を受けている」と明らかにした。8日には第1号となるエストニアに供与した。

 当面のまん延防止に成功した中国は、医療資材の世界的な不足を背景に支援物資を各国に送る「マスク外交」を展開する。中国の影響力増大を懸念する日本は、アビガンに期待を寄せる。外務省幹部は「世界が待ち望んでいる。日本は貢献できる立場だ」と強調。茂木氏も「各国からお礼が殺到している」と誇った。(共同)