Wednesday, May 13, 2020 10:23 AM

MLB、開幕7月4日前後で協議 選手会が条件闘争なら世論反発も

 【ロサンゼルス共同】大リーグ機構(MLB)は12日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期になっている開幕を7月4日前後に設定するなどした今季の開催案を選手会に提出し、協議を開始した。オンラインで3、4時間、主に新型コロナ対策がテーマで、最大の争点とされる年俸の扱いは先送りされたもようだ。AP通信が報じた。

 両者は年俸が試合数に比例などすることで合意したものの、無観客のケースでの解釈が食い違う。同案にポストシーズンを含めた総収入を球団と選手で折半することを盛り込み、さらなる減額の余地を残したMLBに対し、選手会のクラーク専務理事は「経済的実現性を誠実に議論してきた」と試合数に比例などした年俸を譲らない構えだ。

 チケット代、球場での飲食、物販などは総収入の約40%を占める。無観客ならこれが失われ、球団には大打撃となる。カブス、ホワイトソックスの本拠地イリノイ州のプリツカー知事は12日の記者会見で「人々は娯楽を取り戻したい。みんなが苦しんでいるときに高給を求めていることはがっかり」と選手側を批判し、試合開催を優先するよう訴えた。未曽有の危機に条件闘争に固執して開幕に支障を来せば、世論が反発しかねないだけに、選手会は対応に苦慮することになりそうだ。