Wednesday, May 13, 2020 10:24 AM

米研究者「陰謀論の星」に 偽情報ビデオに政治的思惑

 「インフルエンザの予防接種で感染率が高まる」「マスク着用は有害」。新型コロナウイルスに関する女性研究者の誤った主張を含む26分間のビデオ映像が全米で拡散した。深刻な影響を与えるとフェイスブックなどは映像を削除したが、コピーの視聴は依然拡大。ほぼ無名の研究者が「陰謀論のスター」に祭り上げられた経緯には政治的思惑が浮かぶ。

 問題のビデオは、神経免疫研究をしていたミコビッツ博士のインタビューで構成され、ウイルスは「人工的に操作された」と主張。米政権の新型コロナ対策を主導するファウチ国立アレルギー感染症研究所長らが影響力を得るために感染症を利用したと自説を展開し、フェイスブックでの視聴は約200万回に及んだ。

 米ファクトチェック専門サイト「ポリティファクト」は、ウイルスの起源やマスク、予防接種との因果関係に関するビデオの主張は「根拠不明」か「虚偽」と判定したが、内容を信じた市民がマスク着用を拒否するなど影響が出ている。(共同)