Friday, May 15, 2020 10:11 AM

妻失い、子も手放す アフガン、深いテロの傷

 【カブール共同】アフガニスタンの首都カブールで12日、武装集団が病院を襲撃し新生児や母親ら24人を殺害する事件があり、車いすで生活する男性クルバンアリさん(32)は妻のザミラさん(32)を失った。体が不自由な上、経済的にも困窮しており、生まれたばかりの娘はやむなく手放す。テロが相次ぐアフガンで、傷を負った家族がまた増えた。

 武装した3人組が、イスラム教シーア派を信仰するハザラ人地区の病院を襲撃し、特殊部隊と銃撃戦になった。過激派組織「イスラム国」(IS)はハザラ人を標的にしたテロを繰り返してきた。

 娘は呼吸器系の疾患を抱え、ザミラさんと一緒に入院していた。襲撃時の状況はつまびらかでないが、子どもを守ろうと覆いかぶさって亡くなった母親もいたとの証言もある。クルバンアリさんは14日「言葉を失うほど絶望の淵に立たされた」と憤りをあらわにした。