Monday, May 18, 2020 10:17 AM

米軍、中国封じ強化 コロナ混乱で勢力拡大警戒

 【ワシントン共同】トランプ政権が、新型コロナウイルスの感染拡大を巡って激しく対立する中国に対して軍事面での圧力を強めている。米軍艦船を南シナ海や台湾周辺で航行させ、インド太平洋地域での潜水艦の動向を公表する異例のPR戦も展開。各国が感染拡大阻止に追われる中、中国が勢力拡大に走るのを封じる狙いがある。

 トランプ政権は11月の米大統領選をにらみ、新型コロナの被害拡大で中国の責任を強調する姿勢を強めている。中国軍は8月に南シナ海で大規模演習を計画しており、米軍は周辺国の抑止力低下への懸念払拭に懸命だ。

 米軍は8日、太平洋艦隊の全ての潜水艦が西太平洋に出動し「自由で開かれたインド太平洋を守る任務に当たっている」と発表、米軍内に感染が広がる中でも機動力を維持しているとアピールした。秘匿性の高い潜水艦の運用状況を公表するのは珍しく、動きを活発化させた中国軍をけん制する狙いとみられる。