Thursday, May 21, 2020 10:19 AM

コロナ解雇1万人迫る 「5月危機」の懸念も

 厚生労働省は21日の参院厚労委員会で、新型コロナウイルス関連の解雇や雇い止めが20日時点で9569人に上ることを明らかにした。政府が緊急事態宣言を発令した4月から、企業などの休業に伴い職を失う人が急増し、1万人に迫った。派遣社員の大量の雇い止めが表面化する「5月危機」への懸念が労働関係者の間で広まっており、2008年のリーマン・ショック以来の雇用危機が現実味を帯びている。

 経営基盤の弱い中小企業を中心に解雇・雇い止めが相次いでおり、委員会では同省幹部が「さらに拡大する恐れがある」との見通しを示した。

 派遣社員は四半期ごとの契約が多く、7月からの第2四半期は、5月末に次の更新の有無が分かる。非正規労働者を支援する「派遣ユニオン」(東京)によると、4月の緊急事態宣言発令後に解雇・雇い止めの相談が増えており、担当者は「大量の雇い止めが発生しかねない」と懸念を示す。(共同)