Thursday, May 21, 2020 10:20 AM

休業要請大半きょう限り 「クラスター」は継続

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言下に、新聞記者らと賭けマージャンをした東京高検の黒川弘務検事長(63)が21日、安倍晋三首相宛てに辞表を提出した。法務・検察当局の調査を受けた黒川氏は訓告処分となり、「行動は緊張感に欠け、軽率に過ぎるものであり、猛省しています」とのコメントを出した。辞職は22日の閣議での承認後、天皇が裁可して正式に認められる。

 安倍政権は1月末、検察庁法の従来の法解釈を急きょ変更し、黒川氏の定年を半年間延長。野党が違法性を指摘したが、手続きは適正で、検察に欠かせない人材だと反論していた。その黒川氏が不祥事で辞職する事態に追い込まれ、政権の信頼が根底から揺らぐことになった。安倍首相は「首相に当然責任がある。批判は真摯に受け止めたい」とし、森雅子法相は「責任を痛感している」と語った。

 訓告は国家公務員法に基づく懲戒処分ではなく、内規に基づく処分。退職金は支給される見通し。今後は稲田伸夫検事総長(63)の監督責任も焦点となる。黒川氏の後任は、名古屋高検の林真琴検事長(62)を軸に調整が進められている。(共同)