Tuesday, May 26, 2020 10:33 AM
アビガン5月承認を見送り 研究継続、迅速方針変えず
加藤勝信厚生労働相は26日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガンについて「来月以降も臨床研究や臨床試験(治験)を継続し、有効性が確認されれば迅速に薬事承認を行う方針には変わりはない」と述べた。安倍晋三首相が目指すとした「5月中承認」は見送ることとなった。
アビガンは富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザ治療薬。国内では藤田医大(愛知県)を中心に臨床研究を進めており、加藤厚労相は、中間解析で極めて高い有効性が示されれば「結果を待つまでもなく薬事承認という流れも想定していた」と明かした。ただ中間解析では第三者の委員会から「科学的に評価するのは時期尚早」との考えが示され、臨床研究を継続している。
企業が有効性や安全性を確認する治験も進んでいるが6月末まで続く予定。臨床研究でも治験でも明らかな有効性を示すデータはまだ出ていない。首相が今月中の承認を目指すと表明したことに専門家らは「審査がないがしろにされる恐れがある」と批判していた。(共同)
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