Tuesday, June 02, 2020 10:49 AM

デモ制圧へ軍投入辞さず トランプ氏「国内テロ」非難

 【ワシントン共同=田中光也】トランプ大統領は1日、ミネソタ州の白人警官による黒人男性暴行死事件を巡る全米での抗議デモ激化を受け、ホワイトハウスで演説した。デモの一部暴徒化を「国内テロ行為」と非難した上で、各州知事らに直ちに州兵を動員して制圧するよう要求、拒否すれば連邦軍を投入すると宣言した。事件から1日で1週間。衝突は激化し、各地で死傷者も出た。収拾のめどは立たず、緊張が高まっている。

 新型コロナウイルス対応の遅れで批判を受けるトランプ氏は、11月の大統領選をにらみ強硬姿勢を示して保守層の支持固めを狙ったとみられる。デモ参加者の大半は平和的に行動しており、一方的に敵視して強権的手段に訴えれば、さらなる反発を招き、米社会の分断が一層深まりかねない。

 トランプ氏は演説で、デモが自身に批判的な極左勢力に乗っ取られていると主張し「軍も含めた連邦政府の全ての力を動員して暴動や略奪を阻止する」と表明した。