Thursday, June 04, 2020 10:37 AM

香港、天安門の追悼強行 市民1万人、安全法に反発

 【香港共同=太安淳一】中国が民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から31年の4日、香港中心部のビクトリア公園で、民主派団体メンバーらが事件の犠牲者を追悼し、中国が香港への導入を決めた国家安全法制への反対を訴えた。毎年恒例の大規模な追悼集会は新型コロナウイルス対策で警察が禁止したが、ろうそくを手にした市民らも個人として公園に集合。事件の犠牲者追悼や安全法制への抗議の意思を示し、事実上集会を強行した。香港メディアによると、参加者は1万人以上に上った。

 香港立法会(議会)は4日、中国国歌の侮辱を禁じる国歌条例案を可決した。民主派は国家安全法制とともに香港の言論統制を強化する「悪法」として反発していたが、親中派が多数を占める議会が押し切った。

 同公園では、数人のグループごとにソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を保って座る光景も見られた。国家安全法制が導入されれば、追悼集会が開催できなくなると危機感を抱く参加者が多く、ある女性会社員(45)は「法制導入後は、フェイスブックへの投稿にも慎重になる。彼ら(中国)は香港人がなぜ反対するのか分かっていない」と嘆いた。