Thursday, June 04, 2020 10:38 AM

欧州中銀が大規模追加緩和 資産購入枠73兆円拡大

 【ロンドン共同】欧州中央銀行(ECB)は4日、ユーロ圏の金融政策を議論する理事会を遠隔会議方式で開いた。新型コロナウイルス感染症の流行による景気悪化に対応するために設けた資産購入枠を6000億ユーロ(約73兆円)拡大し、計1兆3500億ユーロにすると発表。買い入れ期間も半年延長し、少なくとも2021年6月末まで続ける。

 落ち込んだ域内景気を量的緩和の強化で下支えする姿勢を一段と鮮明にした。ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、20年のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)が8.7%減になるとの予測を公表。消費者物価指数の上昇率が、20年は0.3%にとどまると見込んだ。デフレに陥る懸念も強まりつつある。

 ECBは民間銀行から資金を預かる際の金利はマイナス0.5%のまま据え置くことにした。新型コロナ対策として導入した資産購入枠で買い入れた国債などが満期を迎えた場合は、少なくとも22年末までは再投資を実施。声明では必要に応じ、一段の追加緩和も辞さない姿勢を示した。