Friday, June 05, 2020 10:02 AM

19年生まれ最少86万5000人 出生率1.36、厚労省統計

 2019年生まれの赤ちゃんの数(出生数)は統計開始以来最少の86万5234人だったことが5日、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。前年比5万3166人減で、90万人割れは初。女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は1.36で、前年から0.06ポイント低下した。死亡数は138万1098人となり、戦後最多。出生数から死亡数を引いた人口の自然減は51万5864人で、過去最大の減少幅だった。

 政府は5月に閣議決定した第4次少子化社会対策大綱で、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1.8」を目標に掲げた。だが、少子化はとどまる気配がなく、実現は容易ではない。大綱は不妊治療にかかる費用負担の軽減などを提言しているが、子育て環境などの整備に、さらなる支援が急務だ。

 厚労省の担当者は「少子化の背景には若者の経済的不安定さや、仕事と子育ての両立の難しさなどがある」と指摘。新型コロナウイルスによる今後の影響については「通常の予測の範囲を超える」として明言を避けた。(共同)