Monday, June 08, 2020 10:33 AM

欧州各国でも人種差別抗議 植民地支配の歴史に怒り

 【ブリュッセル、ロンドン共同】米国での白人警官による黒人暴行死事件に抗議するデモが7日、ベルギーや英国など欧州各国で行われた。参加者は差別反対を唱え、一部は過去の植民地支配への怒りを新たにした。ベルギー・ブリュッセルの広場には主催者の想定を大きく超える約1万人が集結し「正義なくして平和なし」と訴えた。

 地元メディアによると、ブリュッセルのデモ終了後、一部が警官隊に瓶や石を投げ、催涙ガスや放水銃で排除された。商店の破壊や略奪もあり、8日までに239人が拘束された。19世紀末前後にアフリカ中部コンゴを私領地として暴政を敷いたベルギー国王レオポルド2世の像も「恥」と落書きされた。

 英メディアによると、英国南西部ブリストルのデモには約1万人が集まった。一部グループは17世紀の有名な奴隷商人の銅像をなぎ倒し、路上を引きずって移動させた後、港に投げ込んだ。パテル内相は像の撤去を「恥ずべき行為」と批判し、警察が捜査を始めた。