Tuesday, June 09, 2020 10:27 AM

米、景気回復へ対策急ぐ 大統領選にらみ減税意欲

 【ワシントン共同】トランプ政権は8日、景気後退局面に入ったことを受け、追加経済対策の実施を加速させる姿勢を示した。新型コロナウイルスの直撃で景気は急失速し、実績と誇ってきた雇用情勢も失業率が2桁に跳ね上がった。11月に迫る大統領選をにらみ、トランプ大統領は大型減税などで早期の景気回復を後押しする狙いだ。

 ハセット大統領上級顧問は8日、追加対策に関し「実施する確率はほぼ100パーセントだ」とCNBCテレビで強調した。対策内容は今後の経済指標を精査した上で、政権と議会が7月にも取りまとめるとの見方を示した。

 トランプ氏は白人警官による黒人男性暴行死事件が響き、支持率はCNNテレビの世論調査で5月上旬の45%から38%に急落した。トランプ氏は今年後半の景気持ち直しに期待するが、政権内には失業率の高止まりを懸念する声があり「非常に厳しい大統領選」(米エコノミスト)になると危機感を強めている。