Thursday, June 11, 2020 10:40 AM

「奴隷商人像」各地で撤去 英、黒人暴行死事件が機に

 【ロンドン共同】米国の黒人暴行死事件を機に反人種差別デモが波及している英国で「奴隷商人」の銅像を撤去する動きが出始めている。黒人を労働力として売買した奴隷貿易はかつて、英社会に多大な富をもたらしたが、今回の事件で「負の歴史」に改めて目が向けられている。

 英南部ブリストルで7日、地元の貿易商人だったエドワード・コルストン(1636〜1721年)の銅像がデモ集団に台座から引き倒され、港に投棄された。

 英メディアによると、約8万人の黒人奴隷をアフリカから米大陸に送ったとされるコルストンは、多額の遺産を教会や病院に寄付。ブリストルにはコルストンにちなんだ記念碑や建物が多数ある。だが、黒人を虐げて得た富による慈善行為を「功績」として評価してきたことへの見直しを求める市民の声が以前からあり、今回の銅像撤去の背景にもなっている。