Friday, June 12, 2020 10:12 AM

米IT、中国対応に苦慮 巨大市場魅力も検閲懸念

 【ニューヨーク共同】新型コロナウイルス感染拡大に伴うビデオ会議ブームで急成長したズーム・ビデオ・コミュニケーションズが中国政府の要請に従い、人権活動家の利用を停止したことを11日に発表した。ズームに限らず米IT企業は中国政府への対応に苦慮。14億人の巨大市場は魅力的な半面、インターネット上の検閲に懸念は根強い。対中協力姿勢は自由な企業イメージを損なう危険もある。

 「われわれは間違えた」。在米活動家のアカウント停止を欧米メディアが報じると、ズームは対応の誤りを認めた。中国でもサービスを展開し研究開発拠点もある。ニューヨーク・タイムズ紙は「米中両国で事業展開する企業の厄介な問題」と伝えた。ズームは中国の法律を順守する必要性を強調した一方で、中国以外の利用者保護を約束することで問題の幕引きを図ろうとしている。

 IT大手で中国依存度が高いのはアップルだ。スマートフォンの生産拠点で、販売動向は業績に与える影響が大きい。クック最高経営責任者(CEO)は米中対立の中、良好な関係を維持しているとみられている。