Tuesday, June 16, 2020 10:19 AM

マイナス金利、23年度も 日銀総裁、物価低迷継続で

 日銀の黒田東彦総裁は16日、金融政策決定会合後に記者会見し、マイナス金利政策が2023年度以降も続くとの認識を示した。新型コロナウイルス感染症の影響で物価上昇率が低い水準で推移するとの見通しを示した上で「21年度であれ22年度であれ、金利を引き上げる状況にはなかなか遠いような気がする」と述べた。

 日銀が3年近く先までの金融政策の見通しを示すのは異例。金融機関から預かる資金の一部に手数料を課すマイナス金利の終了が遠のき、金融機関には厳しい収益環境が続く。米連邦準備制度理事会(FRB)も10日、22年末まで事実上のゼロ金利政策を継続する考えを表明しており、日米で低金利がさらに長期化することが確実となった。

 日銀は16日の会合で、中小企業などへの資金繰り支援策を拡大することを決定。政府と協調し、支援策は総額75兆円から110兆円規模に増えると説明した。黒田総裁は、企業の資金繰りは依然厳しいと指摘し「必要に応じて拡充を検討する」と述べた。短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に誘導することを柱とする大規模な金融緩和策は維持した。(共同)