Wednesday, June 17, 2020 10:25 AM

子の連れ去り禁止を要請 EU議会委、対日決議採択

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)欧州議会の請願委員会は16日、日本人とEU加盟国の国籍者との国際結婚が破綻した場合などに、日本人の親が日本国内で子を一方的に連れ去ることを禁じるよう、日本政府に求める決議案を全会一致で採択した。決議案はこうしたケースが「かなりの数に上り、驚くべき状況だ」と指摘。欧州委員会やEU加盟国政府にも、対日協議でこの問題を取り上げるよう求めた。

 決議案は7月、欧州議会本会議で採決予定。日本は国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めた「ハーグ条約」締約国だが、国内の連れ去りには適用されない。採択されれば、日本での法整備に向けた圧力になりそうだ。

 決議案は、連れ去りが「子ども虐待の重大な形態」だと強調。日本では父母が離婚後もそれぞれ子の親権者となる「共同親権」が認められない上、親権のない親と子の面会は「厳しく制限されているか、実現しない」と指摘した。