Wednesday, June 24, 2020 10:19 AM

新たなミサイル抑止策議論 NSC、敵基地攻撃力視野

 政府は24日夕、国家安全保障会議(NSC)4大臣会合を首相官邸で開いた。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画停止を了承し、代替となる新たなミサイル抑止策の方向性について議論を開始。弾道ミサイル発射拠点を攻撃する敵基地攻撃能力の保有も含めた対応も視野に入れる。安倍晋三首相は、自民党が近く設置するミサイル防衛に関する検討チームの提言を受けた上で、9月にも新たな抑止策の方向性を打ち出し実行に移したい考えだ。

 今後、敵基地攻撃能力保有に踏み出せば、日本の防衛政策の根幹である専守防衛の原則が形骸化する可能性がある。抑止策の議論には、変則的な軌道を描き迎撃が困難な新型ミサイルの開発を進める北朝鮮への対応を強化する狙いもある。

 首相と関係閣僚が集中的に議論し、ミサイル抑止を含めた安保戦略を包括的に見直す。外交・安保の長期指針となる国家安全保障戦略を年内に改定する方向で調整。防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」も連動して見直す構えだ。(共同)