Thursday, June 25, 2020 10:31 AM

反差別の波、歴史的規模に 黒人暴行死事件1カ月

 【ニューヨーク共同】ミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が白人警官に暴行され死亡した事件から25日で1カ月。事件を機に全米に拡大した抗議デモは、黒人差別解消を求める公民権運動が盛り上がりを見せた1950-60年代以来の規模に膨れあがった。差別撤廃や警察の組織改革を訴え、奴隷制など歴史認識の再考も迫る広範な反差別運動に発展している。

 米メディアによると、デモがこれまで実施されたのは全米50州の計1700都市以上。直近では縮小傾向だが、24日もニューヨークなどで行われた。欧州やアジアなどにも波及し、国際的なうねりとなった。

 積もり積もった黒人差別への不満に加え、新型コロナウイルス感染拡大による生活不安がデモの激化に拍車を掛けた。一時はデモ隊と警察との衝突や略奪行為が相次いだが、最近はおおむね平和的に推移。ただシアトルでは、デモ参加者が市街地の一角を「自治区」と称して占拠し続けており、今後の波乱要因となっている。