Monday, June 29, 2020 10:24 AM

自粛疲れ、無防備な日常 マスクせず、抱擁も

 【ジャクソンビル共同=半沢隆実】新型コロナウイルスの感染者が28日、世界で1000万人を超えた。その4分の1を占める米国では南部や西部で感染者が急増。新たな“震源地化”が著しいフロリダ州を同日訪れると、自粛に疲れた市民らがコロナとの闘いを放棄したかのように無防備な生活を送り、マスクもせず街を闊歩していた。

 白い砂が青い大西洋の波打ち際を縁取る。フロリダ州ジャクソンビル東部のビーチは水着姿の若いカップルや家族連れでにぎわい、駐車場は満杯。アクセサリーや衣料品を売る店約30軒が集まった屋外市場が近くにあり、約100人がそぞろ歩きを楽しんでいた。

 マスクをしているのは10人ほど。耳を澄ませてもコロナの話題は聞こえてこない。知人を見つけ、歓声を上げて駆け寄って抱擁する女性店主の姿も見えた。犬を連れて散歩中の食品宅配業経営ジャレド・グレイディオさん(30)は「個人的には感染拡大を心配しているけど、フロリダの人はのんびりしているから」と苦笑する。