Thursday, July 09, 2020 10:53 AM
逸失利益、定期払い容認 被害者死亡後も賠償義務
交通事故で重い障害を負った被害者が、将来得られたはずの「逸失利益」を加害者側にどのような方法で求めることができるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷（小池裕裁判長）は9日、従来の一括払いだけでなく、月1回などの定期的な支払いも認められるとの初判断を示した。
「定期払いの期間中に被害者が亡くなったとしても、加害者側の賠償義務は続く」との考え方も初めて提示。被害者側にとって有利な司法判断となった。裁判官5人全員一致の結論。
事故が原因の逸失利益の賠償方法は実務上、一括払いが原則とされてきた。一括払いは、まとまった金額を早い段階で受け取れるが、その後に障害が重くなっても増額できない。定期払いは、障害が重くなった場合に増額を要求できる一方、将来支払いが滞る恐れもある。被害者側は、それぞれの長所と短所を踏まえて受け取り方法を選べるようになり、賠償実務に影響が出そうだ。（共同）
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