Friday, July 10, 2020 10:32 AM

ネット中傷、抑止策了承 電話番号開示で投稿者特定

 総務省は10日、インターネット上で匿名の誹謗中傷を受けた被害者が投稿者を特定しやすくするための制度見直しに向けた有識者会議で、改正の方向性をまとめた中間報告案を提示し大筋で了承された。投稿者の電話番号を情報開示対象に追加することが柱。開示を迅速にする新たな裁判手続きの創設も法改正を視野に引き続き検討し、被害者の救済や不適切な投稿の抑止を図る。

 高市早苗総務相は10日の閣議後の記者会見で「できるものから速やかに必要な制度改正を行っていく」と述べた。

 今後、国民からの意見募集を経て正式決定する。電話番号の追加は今夏に省令改正で実施する。新たな裁判手続きについては今後詳細を詰めるが、この日の会合では、有識者の半数に当たる6人が連名で慎重な検討を求める意見を提出。匿名の表現の自由や通信の秘密を確保することなどを求めた。実現できない場合は手続きの創設自体を見直すべきだとしており、曲折も予想される。総務省は早ければ11月にも最終報告を取りまとめる。(共同)