Friday, July 10, 2020 10:35 AM

大統領財務開示を差し戻し 米最高裁、免責特権は否定

 【ワシントン共同】米連邦最高裁は9日、ニューヨーク州の検察当局と下院委員会がトランプ大統領の納税申告書を含む財務記録の開示を求めた二つの訴訟で、いずれも下級審に差し戻す判断を示した。注目された11月の大統領選前の開示は難しいとみられる。検察の訴訟で、大統領の免責特権を盾に開示を拒否したトランプ氏の主張は退けた。

 トランプ氏は歴代大統領が慣例としてきた納税申告書の開示を拒み続けており、財務上の不正などがあるのではないかとの臆測を呼んでいる。当面の開示は回避できたが、いずれもトランプ氏指名の2人を含む保守派判事3人が賛成に回る7対2の判断だった。

 最高裁は検察の訴訟で、大統領の免責主張について「証拠提出を求められれば他の市民と同様に提出義務がある」と退けた上で、トランプ氏側は下級審で別の論点で争えるとした。下院の訴訟では議会と大統領の権力分立を巡る審議が不十分とした。