Tuesday, July 14, 2020 10:19 AM

IOCがコスト半額負担を 東京五輪延期で米経済学者

 スポーツビジネスに精通した経済学者でスミス大のアンドルー・ジンバリスト教授(72)が14日までに共同通信の取材に応じ、東京五輪の1年延期に伴う追加コストに関し、国際オリンピック委員会(IOC)が半額を負担すべきだとの考えを明らかにした。精査中の五輪追加経費は数千億円規模に膨らむと見込まれており、IOCや大会組織委員会が簡素効率化を迫られている。

 IOCは大会運営費として新たに6億5000万ドル(約700億円)を負担するとしているが、同氏は「IOCが東京組織委のパートナーと言うのであれば、仮に追加コストが3000億円規模の場合、1500億円は支出すべきだと思う。ただ追加経費自体、もっと大幅に減らせるはずだ」とした。

 ジンバリスト氏は自著「オリンピック経済幻想論」で過去のデータを基に、五輪開催による経済効果や観光振興は必ずしも根拠がないと指摘している。延期に伴うコスト削減策について「組織委は『簡素化された五輪』というお題目で何を想定しているのか明示できていない。小さな節約はできるかもしれないが、これらは延期に伴う追加経費と比べれば小規模だ」と分析した。(共同)