Tuesday, July 14, 2020 10:21 AM

京アニ教訓で被害拡大防止 国や京都市、対策進める

 18日で発生1年を迎える京都アニメーション放火殺人事件を教訓に、国や京都市は、ガソリンの販売規制や火災からの避難指針策定など、類似の事案の発生や被害拡大を防ぐための取り組みを進めてきた。事件に遭遇した京アニ社員は「防災について考え、人命が助かる対策がより進んでほしい」と期待している。

 「発電機に使う」。昨年7月の事件直前、携行缶を持参しガソリンスタンドを訪れた青葉真司容疑者(42)=殺人容疑などで逮捕、鑑定留置中=は虚偽の説明をし、ガソリン40リットルを購入。京都市伏見区の同社第1スタジオに侵入し、ガソリンをまき放火したとされる。

 総務省消防庁は事件の1週間後、容器に詰め替えてガソリンを販売する際、客に身分証の提示を求め目的を確認した上で、記録を保存するよう事業者側に要請。今年2月に改正省令を施行し、こうした確認を義務化、違反には罰則も設けた。業界関係者は「人手不足の店では負担は大きいが、犯罪抑止には効果的だろう」と指摘した。(共同)