Monday, July 20, 2020 10:36 AM

イラン、中東の権勢に陰り 距離を取る隣国イラク

 【テヘラン、カイロ共同】イラクのカディミ首相が21日、隣国イランを就任後初めて訪問する。「兄弟国」として関係強化を唱えるとみられるが、実際にはきしみが露呈。イランは1月に対外工作の司令塔を米軍の暗殺で失い、周辺国での権勢をそがれた。米イランの対立に巻き込まれたくないイラクは、イランと距離を取ろうとする姿勢が目立つ。

 イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官は1月、イラク・バグダッドで米軍無人機の攻撃により死亡した。米政府は「世界最悪のテロリストを葬った」と成果を誇った。

 ソレイマニ氏は、反米を軸にイラクなどで親イラン勢力を育成、支援。そのカリスマ性で各国要人とも深い個人的関係を築き、イランの隠然たる影響力を生み出した。