Friday, July 24, 2020 10:23 AM

離脱、コロナで揺れる評価 ジョンソン英首相就任1年

 【ロンドン共同】ジョンソン英首相が24日、就任から1年を迎えた。悲願の欧州連合(EU)離脱を実現した「救済者」(英メディア)との見方がある一方、新型コロナウイルスを巡る初動の遅れに批判が集中。世論や与党内の強硬派の動向を注視しながらの慎重なかじ取りを迫られている。

 「第2次大戦後最も困難な英国の政治課題を解決した」。メイ前政権時に混迷状態に陥った協議をまとめ、1月末の離脱を実現したジョンソン氏を英紙は高く評価する。

 だがその後のEUとの新たな自由貿易協定(FTA)締結を巡る交渉は難航。一部英紙は政権が近く年内の交渉妥結を断念する可能性があると伝えた。離脱に伴う激変緩和のための年末までの「移行期間」中に妥結できなければ大混乱が生じ、新型コロナで未曽有の打撃を受けた英経済の一層の悪化が懸念される。

 新型コロナを巡る対応でも評価は急降下した。欧州で感染が拡大し始める中、対策を協議する政府の緊急会議を立て続けに欠席。科学者の警告をよそに、集会の禁止など感染拡大防止策の実施に即座に踏み切らなかったことが、欧州最多の死者数につながったと批判されている。