Monday, July 27, 2020 10:40 AM

米中、全面対立で新局面 公館巡り報復合戦も

 【北京共同=塩沢英一】中国四川省成都の米総領事館が27日、中国政府の要求に従って閉館した。米中は互いに相手国の公館を閉鎖、両国関係は全面的に対抗する新たな局面に入った。貿易摩擦に加えて新型コロナウイルス対応、南シナ海問題やハイテク覇権争いに至るまで対立する米中は「国交樹立以来最悪」(中国の王毅国務委員兼外相)のレベルに関係が冷却化。トランプ大統領は中国公館を追加閉鎖する可能性を警告しており、報復合戦にエスカレートする恐れがある。

 ポンペオ米国務長官は23日の演説で、歴代米政権の対中関与政策を転換し、民主主義国家が中国に対抗する包囲網を構築する必要性に言及。中国の習近平国家主席を「全体主義の信奉者だ」と名指しして批判し、中国は激しく反発している。

 27日付の中国紙、環球時報は米側が取り得るさらなるステップとして、すべての在米中国総領事館の閉鎖や、米大統領の台湾訪問、台湾との外交関係樹立があるとの見方を紹介した。