Tuesday, July 28, 2020 10:22 AM

マレーシア元首相に有罪 政府系ファンド流用事件

 【クアラルンプール共同】マレーシアの政府系ファンド「1MDB」を巡る巨額資金流用事件で、首都クアラルンプールの高裁は28日、元首相のナジブ被告(67)が在任中に4200万リンギット(約10億円)を不正に受け取ったとして、背任罪や職権乱用罪などで有罪判決を出した。量刑は今後言い渡される。一連の事件で同被告への判決が出されたのは初めて。

 ナジブ被告は、2014〜15年に1MDBの元子会社から自身の銀行口座に振り込まれた資金について、サウジアラビアのアブドラ前国王からの献金だと思い込んでいたとして、無罪を主張していた。裁判官は「主張は非常に不自然」「信じ難い」と退けた。

 ナジブ被告は1MDB関連の資金洗浄罪など計42件の罪で起訴され、28日はうち7件についての判決だった。1MDBからは総額45億ドル(約4700億円)以上の資金が不正流用され、米国の高級不動産購入や、義理の息子によるハリウッド映画製作費などに充てられたとされる。