Wednesday, August 05, 2020 10:31 AM

米長官訪問に「断固反対」 中国、台湾との往来認めず

 【北京、ワシントン共同=早川真、竹本篤史】中国外務省の汪文斌副報道局長は5日の記者会見で、トランプ政権が発表したアザー厚生長官の台湾訪問に「断固反対する」と述べ、公的な往来をしないよう求めた。米国は今回、新型コロナウイルス対策での連携を訪問の名目に掲げているが、対中圧力の強化を狙う。米中対立が台湾に拡大し、地域の緊張が高まる恐れがある。

 米政権は4日の声明でアザー氏が「トランプ大統領に代わって台湾高官と会談する」と説明し、ハイレベルの代表団である点を強調。「独裁体制」と対比する形で米台の「自由で民主的な社会」の価値に言及し、名指しは避けながらも中国への対抗心を強くにじませた。

 アザー氏は疾病対策センター(CDC)の専門家らを連れて台湾を訪れ、公衆衛生面で台湾が果たす「国際社会での建設的な役割」について演説も行う予定。世界的な課題である新型コロナ対策での連携を前面に打ち出し、米台関係の正当性を国際社会にアピールする考えとみられる。