Wednesday, August 12, 2020 10:41 AM

日航機事故35年、慰霊登山 犠牲者520人、安全願い

 乗客乗員520人が犠牲となった1985年の日航ジャンボ機墜落事故から35年となった12日、遺族らが墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山した。今年は台風被害と新型コロナウイルスの影響を考慮して分散され、12日は午後4時までに慰霊登山したのは例年の半数ほどの50家族、141人に。暑さの中でマスク姿で山を登った。追悼式は遺族が参列せず、村や日航関係者らのみで開かれた。

 次男健君=当時(9)=を亡くした、遺族らでつくる「8・12連絡会」事務局長の美谷島邦子さん(73)は何度も休憩しながら登山。昇魂之碑では子どもたちと無数のシャボン玉を空に舞わせ、「今年は、登りたいけど登れないご遺族もいて残念。お会いするのが楽しみだった。一方、初めて来るご遺族もいらっしゃった」「コロナ禍で人との距離を取らなければならないが、心と心のつながりは35年たって強くなっている」と話した。

 知美さん=当時(16)、薫さん=同(14)=の2人の娘を亡くした堺市の山岡清子さん(74)は、「例年登り、体力的にきついけど、12日は山で娘が待っている気がする。ここに来ないと1年が過ぎた気がしません」と話し、足を運んでいた。(共同)