Friday, August 21, 2020 10:56 AM

日本ペイント、外資傘下に シンガポール社が買収

 国内塗料最大手の日本ペイントホールディングス(HD)は21日、筆頭株主であるシンガポールの塗料大手ウットラムグループの傘下に入ると発表した。ウットラムが日本ペイントの実施する第三者割当増資を引き受け、議決権ベースの持ち株比率を現在の39.5%から、グループ会社が所有する持ち株と合わせて58.7%に高める。買収総額は約1兆3000億円。来年1月1日の買収完了を目指す。

 日本ペイントHDはウットラムと展開しているアジア各国の合弁事業と、ウットラムのインドネシア事業を買収する。買収に当たり対価としてウットラムに新株を割り当てる。これによりウットラムは塗料事業から撤退する。

 日本ペイントHDは事実上、ウットラムの塗料事業を引き継ぐことで業容を拡大できる利点がある。ただ議決権の過半を握られるため、経営戦略や人事で独立性を保つことが難しくなる局面もありそうだ。台湾の鴻海精密工業によるシャープ買収などに続き、アジア企業による日本の巨大メーカー買収が素材分野に及んできた。(共同)