Monday, August 24, 2020 10:18 AM

武田、大衆薬子会社を売却 米ファンドに2400億円

 武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」や風邪薬「ベンザ」シリーズなどを販売する一般用医薬品(大衆薬)子会社の武田コンシューマーヘルスケア(東京)を、投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。売却額は2420億円。収益性の高い医療用医薬品に経営資源を集中させ、がんや消化器分野などの治療薬の研究開発に注力する。

 大衆薬事業は武田グループ全体の売上高の2%にとどまり、競争の激化や人口減少で国内市場が伸び悩み売却先を探っていた。武田コンシューマーの社名は変更が検討されるが、各製品は変わらず販売され、従業員の雇用も維持される見通し。売却手続きは来年3月末に完了する予定。関係者によると、大衆薬大手の大正製薬も買収に名乗りを上げていた。

 武田のクリストフ・ウェバー社長は24日にインターネットを通じて記者会見し、子会社売却について「成長を促す投資ができないのであれば、保有し続けるのは正しくない。譲渡が最善だが、難しい結論だった」と述べた。(共同)