Wednesday, August 26, 2020 10:30 AM

空港検査、拒否に罰則も ミス続発で航空法規定へ

 国土交通省は、テロ対策強化や将来の旅客増加を見据え、これまで法的にあいまいだった空港の保安検査を航空法に規定し、乗客らの検査拒否に罰則を設ける方針を固めた。大阪(伊丹)や羽田で昨年、検査員が刃物を見落とすミスが続発したことをきっかけに再発防止策の検討を進めていた。来年の通常国会への改正法案提出を目指す。関係者への取材で26日分かった。

 国交省は、ミスが相次いだ要因として、長時間勤務など検査員の労働環境が悪いことや、乗客からのクレーム対応に忙殺されている実態があると分析。乗客の協力を得やすくして、スムーズに検査を実施するためには、保安検査の法制化が必要だと判断した。罰則の具体的な内容や対象とする行為、乗客だけでなく空港で働くスタッフらも範囲とするかなど詰めの作業を急ぐ。

 現行制度では、保安検査は国交省令に基づき、各航空会社が旅客運送約款に定めて実施している。検査員が乗客に対し、手荷物を開けたり、機内への持ち込み制限品を廃棄したりするよう求めた際、拒否や苦情を受けるケースも多く、暴力を振るわれる事例もあった。(共同)