Thursday, August 27, 2020 10:27 AM

イラン核、当面の危機回避 トランプ氏続投なら再燃も

 【ウィーン共同】過去の核兵器開発疑惑を巡りイランが国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れに同意し、イラン核合意崩壊の危機は当面回避された。一方的離脱と制裁で合意つぶしを図り、圧力をかけてきたトランプ政権は孤立を深めることになるが、11月の大統領選で続投となれば、危機再燃は確実だ。

 イランの核開発疑惑について、2015年の核合意を受け公式にIAEAの調査は完了したが、査察となれば疑惑を蒸し返される格好で、イランは反発。しかしIAEAとの協定上、査察受け入れは義務で、受け入れない場合、IAEAへの協力が大前提の核合意の崩壊も懸念されていた。

 核開発の封じ込めを狙う米国は国連安全保障理事会にイラン武器禁輸措置の延長を狙った決議案を提出したが、14日に反対多数で否決。20日には国連制裁の全面復活(スナップバック)を安保理に要求したものの核合意当事国のロシア、中国、英仏独に一蹴された。