Thursday, September 03, 2020 10:13 AM

「触読時計」25年ぶり刷新 セイコー、視覚障害者向け

 セイコーウオッチが、目の不自由な人が文字盤を直接触って時刻を判別する「触読式」腕時計のデザインを1995年以来、25年ぶりに刷新することが3日、分かった。新モデル5品を11日に発売する。障害者の社会参加を含む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」実現を意識した声が社内で上がり、刷新に取り組んだという。

 採算度外視で販売していた背景から、長年デザインは変更していなかった。障害者団体への聞き取り調査で「おしゃれな時計を身に着けたい」との意向があり、各所に最新のトレンドを取り入れた。金色を主とした色使いを見直し、ピンクの文字盤やボルドー色の革バンドを採用した女性向けモデルも投入する。

 価格は1万4000円(消費税非課税)に据え置く。10万円を超える腕時計と同じムーブメント(駆動装置)を採用しつつ、社会貢献と位置付けて価格を抑えている。触読式の腕時計は文字盤のふたを開け、針の位置で時刻を確認する。触っても針がずれないようにし、汗に強くする必要がある。(共同)