Friday, September 11, 2020 10:45 AM

重油流出で10億円の支援策 商船三井、サンゴ回復に

 インド洋のモーリシャス沖で起きた日本の貨物船の重油流出事故で、船を手配した商船三井は11日、総額10億円規模の支援策を発表した。汚染されたサンゴ礁を回復するための基金設立が柱。池田潤一郎社長は11日、事故後に初めて記者会見し「長期的にモーリシャスの自然環境の回復や地域貢献に全力で取り組む」と述べた。

 油流出事故に関する国際条約によると、商船三井に損害賠償の法的責任はないが、環境汚染に対して手配者としての責任を果たす。池田社長は「大きな社会的責任を負うべきケースだと判断した。10億円が最大ではない」と説明した。

 設立するのは「モーリシャス自然環境回復基金(仮称)」。被害を受けたサンゴ礁やマングローブ林の保護・回復への取り組みを進めるほか、希少な海鳥などの保護活動も支援する。数年間で8億円を拠出する。モーリシャス政府や、地元の非政府組織(NGO)にも約1億円を寄付する。(共同)