Monday, September 21, 2020 10:27 AM

兵士厳戒、消えた砂金取り 密輸業者には射殺命令

 中朝国境を流れる鴨緑江。北朝鮮兵士は自国領内に向け目を光らせ、川から砂金取りが姿を消した。北朝鮮が新型コロナウイルス流入阻止のため国境封鎖を始めて約8カ月。経済難でも市場は人々が行き交うが、越境しようとする密輸業者には射殺命令が出されたとされる。外部に伝わることのない地方住民の様子を中国側からとらえた。

 9月上旬、朝鮮半島を相次ぎ襲った台風の合間を狙い、中国吉林省の長白朝鮮族自治県に入った。対岸は北朝鮮北部両江道の道都、恵山市。故金日成主席が抗日パルチザン活動を繰り広げた「革命の聖地」とされる白頭山(中国名・長白山)に近い。白頭山を水源とする鴨緑江の川幅はまだ50〜100メートルと狭く、多くの住民が川を渡り、脱出してきた。中朝の密輸拠点でもある。

 川沿いの高台から庶民が利用するチャンマダン(自由市場)が間近に見えた。幼児を抱いた若い男性、大きな袋を頭の上に載せて歩く女性、軍人もいる。みなマスクを着け、色や形はさまざまだ。路上にはリンゴや野菜が並べられている。(共同)