Friday, September 25, 2020 10:33 AM

パレスチナ、見えぬ戦略 選挙合意も実現に危うさ

 【エルサレム共同】パレスチナ自治政府の主流派ファタハとイスラム組織ハマスは24日、2007年の分裂後初となる選挙の実施で合意した。アラブ諸国がイスラエルとの国交正常化を進め、パレスチナ問題が置き去りになる流れに抵抗し、統一政府を発足して国際発言力を強化する狙いがある。だがファタハとハマスの対立は深刻で選挙実現を危ぶむ声は根強い。悲願の国家樹立に向けた戦略は描けていない。

 パレスチナ自治政府高官は24日、今回の合意を受けて「民主的な選挙がパレスチナの国際的な立場を強化する」と表明した。だがファタハとハマスは過去にも選挙実施を試みながら、果たせていない。

 仮に選挙が実現しても、米政府がテロ組織に指定するハマスの統一政府参加には、イスラエルや米国の反発が必至。自治政府高官は、こうした根本的問題をどう解決するかには言及しなかった。