Tuesday, September 29, 2020 10:53 AM

ドコモ完全子会社化決定へ NTT、過去最大4兆円

 NTTは29日、取締役会を開き、上場子会社のNTTドコモの完全子会社化について協議する方針を発表した。株式公開買い付け(TOB)を実施し、一般株主が保有する3割強のドコモ株を取得する。投資額は4兆円規模に上るとみられる。第5世代(5G)移動通信システム分野の開発競争や携帯電話料金引き下げといった経営課題に、グループ一体で効率的に対応する体制を整える狙いだ。

 ドコモは29日「本日開催の取締役会に付議する予定で、決定した場合は速やかに公表する」とのコメントを発表した。NTTも「本日の取締役会で開示すべき事実を決定した場合は速やかに公表する」とした。関係者によると、NTTが29日午後に記者会見を開く見通し。

 企業の合併・買収(M&A)の助言会社レコフ(東京)によると、国内企業へのTOBとして過去最大となる。ドコモはTOB終了後、東京証券取引所第1部の上場が廃止となる。携帯料金引き下げは菅義偉首相が重要政策に掲げ、対応を迫られていた。収益を圧迫する要因となるが、非上場化によって値下げの判断がしやすくなりそうだ。(共同)