Wednesday, September 30, 2020 10:14 AM

公立病院934億円赤字 19年度、累積1兆円超

 総務省は30日、自治体が経営する地方公営企業の2019年度決算概要を公表した。このうち公立病院事業は934億円の赤字で、前年度の840億円から11.2%増加した。穴埋めできていない損失(赤字)の累積を示す累積欠損金は1兆9146億円に上った。過疎地の地域医療や救急・周産期医療など、民間では採算が取れない医療を支える公立病院の苦しい経営状況が浮き彫りになった。

 20年度は新型コロナウイルスの患者受け入れによる一般入院患者の減少などで、収支はさらに悪化する恐れがある。公立病院でつくる全国自治体病院協議会は国に財政支援の強化を訴えている。

 19年度末時点の全国623病院事業の決算を集計した。全体の決算規模は4兆6309億円で、うち料金収入は3兆2563億円。前年度から増加したものの、薬剤費などの経費も増え、赤字は解消されていない。(共同)