Wednesday, September 30, 2020 10:15 AM

予算、コロナで過去最大も 要求100兆円超、拡大へ

 2021年度予算編成で財務省は30日、各省庁からの概算要求を締め切った。防衛費などの増加で一般会計の要求総額は7年連続で100兆円を超える見通し。ただ新型コロナウイルス感染症や防災・減災の対策経費は編成過程で検討するとして多くの金額が示されず、上積みが確実で、異例の編成作業になる。年末に決定する当初予算の総額は過去最高を更新する可能性がある。

 菅政権下で初となる予算編成で、重要政策に掲げるデジタル化も推進。国の財政は厳しさを増しているが、新型コロナの収束が見通せない中で歳出圧力は強まっており、財政健全化の進展は一段と厳しい状況だ。

 省庁別で要求額が最大なのは厚生労働省の32兆9895億円。20年度当初とほぼ同額だが、高齢化に連動した社会保障費の自然増は示さず、ワクチン接種体制の構築や、企業が支払った休業手当の一部を国が補う「雇用調整助成金」といった新型コロナ対策などのための経費は金額を示さない「事項要求」とした。感染症対策の費用は数兆円規模で積み上がる見通しだ。(共同)