Thursday, October 01, 2020 10:39 AM

医療事故調査、実態検証へ 「報告推奨」従わず多発

 患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度を巡り、第三者機関「医療事故調査・支援センター」が医療機関からの相談を基に行う「センター合議」の結果、「医療事故として(制度上の)報告を推奨する」と助言しても、医療機関から報告がなく、院内調査に至らないケースが相次ぎ、センターが検証に乗り出したことが1日、関係者への取材で分かった。

 医療事故調査制度は1日で開始から5年。責任追及ではなく、事実解明によって再発防止を目指す制度だが、入り口となる医療機関の発生報告がなければ、実効性が伴わない。2017〜19年の発生報告はそれぞれ370件ほどで推移しており、実態より少ないとの指摘も出ている。センターは、合議の在り方などについて、関与した医療機関の意見を聴くなどの検証作業に着手した。

 センターを運営する「日本医療安全調査機構」などによると、19年に合議の結果、「報告を推奨する」とした37件のうち、その後報告がない件数は16件(43.2%)。18年は37件中9件(24.3%)、17年は37件中18件(48.6%)が、その後の報告がなかった。(共同)