Friday, October 09, 2020 10:23 AM

ドイツ、少女像の許可取り消し 日韓間で中立必要と判断

 【ベルリン、ソウル共同】ドイツの首都ベルリン市ミッテ区は8日、区内の公有地に9月末に設置された元従軍慰安婦の被害を象徴する少女像について、設置許可を取り消したと発表した。14日までの撤去を求めている。戦時下の女性への性暴力に反対するとの観点で許可したが、像は旧日本軍の行為に焦点を当てていると指摘。区として日本と韓国の間で中立性を保つべきだと判断した。

 設置の中心となったベルリンの韓国系市民団体は「区に当初から像の歴史的背景などを説明してきた。公共の場での設置を続けたい」とし、ミッテ区と協議するとした。日本側は加藤勝信官房長官が像の撤去を求める考えを示していた。

 ミッテ区は少女像の設置が「日本各地やベルリンで、いら立ちを引き起こした」と指摘した。フォンダッセル区長は、像が二つの国家の対立に関係しているとして、ドイツでの設置に「ふさわしくない」と強調。「国家間の歴史的論争を巡り、どちらか一方に肩入れする事態は避けたい」とコメントした。