Friday, October 09, 2020 10:23 AM

世界の死産、年間200万件 国連報告、コロナで増加も

 【ジュネーブ共同】国連児童基金(ユニセフ)と世界保健機関(WHO)などは8日、世界全体で2019年に、死産が200万件に上ったとの報告書を公表した。新型コロナウイルス感染症の拡大で医療機関に負担がかかっていることから、保健制度が整っていない中・低所得国を中心に今後も死産が増えることも予想されるとして、各国に警戒と対策を呼び掛けている。

 報告書によると、死産の84%は中・低所得国で発生。サハラ以南のアフリカや南アジアが約75%を占めるなど、地域間の格差が大きい現状が浮き彫りとなっている。

 死産の4割超は陣痛の最中に起きているが、北米や欧州などでは陣痛中の死産は6%なのに対し、サハラ以南のアフリカでは半数近くに上っている。適切な経過観察や、緊急の産科治療を受けることができれば、死産とならずに済んだ可能性があったとして、妊婦を支える医療体制の充実を求めた。