Wednesday, October 21, 2020 10:34 AM

ANA、5300億円赤字 21年3月期、過去最大

 全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスの2021年3月期の連結純損益見通しが5300億円前後の赤字となったことが21日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大で国際線を中心に需要の大幅な回復は難しいと判断し、通期で過去最大の赤字を見込む。前期は276億円の黒字だった。

 ANAは収益改善策として全日空が保有し、主に長距離国際線で使う大型機25〜30機を削減する方針を固めた。リースを含め約60機の大型機を保有しているが半減させ、リストラの柱とする。コロナ禍により、全日空の拡大路線は巻き戻しを余儀なくされた。

 ANAの赤字はリーマン・ショック後の10年3月期の573億円が最大だった。これまで21年3月期の業績見通しを「算定が困難」として公表していなかったが、27日に発表する20年9月中間決算で示す。巨額の赤字により自己資本が減少するため、一部が資本とみなされる劣後ローン4000億円を調達する計画も併せて発表する。(共同)