Thursday, October 29, 2020 9:47 AM

企業年金保険、利率下げへ 第一生命、3000社対象

 第一生命保険は29日、企業から資金を預かって運用し将来の従業員の年金に充てる企業年金保険について、運用する際に約束している予定利率を2021年10月に現行の年1.25%から0.25%に引き下げると発表した。同社によると、契約している約3000社が対象で、利率引き下げに踏み切るのは19年ぶり。

 新型コロナウイルス感染拡大に対応した世界的な低金利が響き、資金運用で高い利回りを確保するのが難しい状況が続いているためで、生保他社も追随して利率を下げる可能性が高い。

 企業年金は、公的な年金である国民年金や厚生年金とは別に、企業が運用する私的年金。今回、第一生命が利率を下げるのは、企業年金の中でもあらかじめ将来の給付額が保証されている「確定給付型年金」向けの保険商品。生命保険協会によると、確定給付型の企業年金は日本全体で約1万3000社、加入者は約940万人に上る。合計の資産規模は約61兆円で、このうち4分の1程度を生保の企業年金保険で運用している。(共同)