Friday, October 30, 2020 10:12 AM

米、ベトナムとの連携強調 ポンペオ氏、中国けん制

 【ハノイ共同】ポンペオ米国務長官は30日、訪問先のベトナム・ハノイでグエン・スアン・フック首相と会談した。AP通信によると、ポンペオ氏は強引に南シナ海へ進出し、沿岸国と対立する中国を念頭に「われわれはベトナムの主権に大いなる敬意を払っている」と表明。ベトナムと連携する姿勢を強調し、中国をけん制した。

 ベトナムは今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国。ポンペオ氏はインドやインドネシアを歴訪後、ベトナムとの国交正常化25周年を祝うなどの目的でハノイ入りした。APによると、ポンペオ氏は会談で「平和で繁栄するインド太平洋の構築に、共に取り組めるのを楽しみにしている」と述べ、フック氏も両国の関係発展に期待感を示した。

 ベトナム戦争で戦火を交えた両国だが経済協力は近年拡大し、昨年の統計では米国がベトナムの最大の輸出先。最大の輸入元は中国だった。中国に対抗するため米国はASEANへの接近を強めるが、中国との関係も深いASEANは双方との距離感に苦慮している。