Monday, November 09, 2020 9:12 AM

欧州、同盟再建へ期待 対中関係や通商に不安も

 【ベルリン、パリ、ロンドン共同】米大統領選でバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことに欧州では、トランプ政権下で揺らいだ米欧同盟の再建に期待が高まっている。米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)もバイデン氏を「NATOの強力な支持者」と評価。一方、中国と良好な関係を維持したい域内大国ドイツはバイデン氏が発足させる政権の対中関係や通商政策に不安ものぞかせている。

 ドイツのメルケル首相は多国間主義を重視し、自国第一主義のトランプ大統領に異を唱え、両首脳の間には溝があった。ドイツメディアは8日、バイデン氏の政権はトランプ政権の政策を一部受け継ぐことになると報道。米国の保護主義と対中敵視は残り、ドイツは苦しい立場に置かれると強調、バイデン氏への過度の期待は禁物だと指摘した。

 フランスでも、米欧関係はより調和的になるものの、米中対立などを念頭に「トランプ氏以前」の状況に戻ることはないとみられている。